この記事の結論
学校が学生・保護者の個人情報をクラウドのサービスに預けるときは、①扱う情報に要配慮個人情報が含まれるか、②委託先として適切か(選定・契約・取扱状況の把握)、③誰がどこまで見られ、閲覧や変更が記録されるか、④どこに保管し、どの外部サービスに送られるか、⑤契約が終わったときにデータをどう受け取り、消すかを確かめます。
最終更新:2026年10月26日
学校が扱う個人情報と要配慮個人情報
学校は、氏名・住所・連絡先、成績、出欠、家庭の状況、在留カードの情報など、多くの個人情報を扱います。このうち、病歴や障害、健康診断の結果などは「要配慮個人情報」に当たり、取得するときには原則として本人の同意が必要です。
どの情報がどの区分に当たるかを先に整理すると、見られる人の範囲や、外部に送るときの扱いを決めやすくなります。本ページは、私立学校などの民間の事業者に向けた個人情報保護委員会の通則編にもとづいて説明します。公立学校には、地方公共団体の機関としての別の規律があります。
委託先の監督で確かめること
クラウドのサービスに個人情報の取扱いを任せるときは、委託先を監督する必要があります。通則編は、適切な委託先の選定、委託契約の締結、委託先での取扱状況の把握を挙げています。
- 選定:委託先の安全管理措置の内容を、資料や質問で確かめる。
- 契約:安全管理、再委託の条件、事故のときの報告、契約終了時の扱いを契約に入れる。
- 把握:取扱状況を定期的に確かめる方法(報告、確認の資料など)を決める。
- 再委託:別の事業者に再委託するときの条件と、その事業者の名前を確かめる。
権限と閲覧の記録
- 役割ごとに、見られる記録と変えられる記録を分けられるか。
- 担任や教科担当が、自分の担当以外の学生の記録を見られないようにできるか。
- 住所や健康の情報など、特に慎重に扱う情報の表示を制限できるか。
- 誰が、いつ、どの記録を見たり変えたりしたかが記録され、後から確かめられるか。
- 職員が異動・退職したときに、すぐに権限を外せるか。
保管場所と、外部サービスへの送信
データがどの国のどこに保管されるかを確かめます。外国で個人データを取り扱う場合は、その国の個人情報の保護に関する制度を把握したうえで安全管理措置を講じる必要があります。
通知、決済、AIなどの機能で、データが別の事業者に送られることがあります。どの機能を使うと、どの情報が、どこへ送られるかの一覧を確かめます。
契約終了時のデータ
- 契約が終わるとき、どのデータを、どの形式(CSVなど)で受け取れるか。
- 受け取れる期限と、費用がかかるか。
- 受け取ったあと、提供会社の環境からデータをいつ、どう消すか。消したことを確かめる方法。
- バックアップに残ったデータの扱い。
教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの位置づけ
文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」は、主に教育委員会と公立学校が情報セキュリティポリシーを作り、見直すための資料です。クラウドサービスの利用や、技術的な対策の考え方が示されています。
私立学校が自校の規程を作るときも、確認する項目を洗い出す参考になります。
確認リスト
候補ごとに、次の項目の回答を書面でもらいます。印刷して使えます。
- 1要配慮個人情報を含めて、扱う情報の区分を整理したか。
- 2委託先の安全管理措置の内容を、資料で確かめたか。
- 3契約に、安全管理、再委託、事故の報告、契約終了時の扱いが入っているか。
- 4役割ごとの権限と、担当以外の学生を見られない設定ができるか。
- 5閲覧と変更の記録を、学校が確かめられるか。
- 6データの保管場所(国・地域)が分かるか。
- 7どの機能で、どの情報が、どの外部サービスに送られるかが分かるか。
- 8契約終了時のデータの受け取りと消去の方法が決まっているか。
よくある質問
- クラウドのサービスに預けることは、第三者提供になりますか?
- 利用目的の達成に必要な範囲で個人データの取扱いを委託する場合、委託先は第三者に当たらないとされています(個人情報保護法第27条第5項第1号)。そのかわり、委託先の監督が必要です。
関連ページ
参考資料
制度・法令は引用資料の適用範囲で説明しています。外部資料はClassioの動作や法令適合を認証するものではありません。
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:2-3 要配慮個人情報
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:3-4-2 安全管理措置
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:3-4-4 委託先の監督
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:3-4-1 正確性の確保・消去
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:3-3-2 要配慮個人情報の取得
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:3-6-3 第三者に該当しない場合(委託)
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:10-6 技術的安全管理措置
- 個人情報保護委員会「通則編」 — 民間の個人情報取扱事業者向け:10-7 外的環境の把握
- 文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」令和7年3月 — 対象範囲、技術的対策、クラウドサービスの利用
- Classio「セキュリティ」 — 製品の説明(公的機関による認証ではありません)
参照先の確認日:2026年10月18日